不定積分の計算例をいくつか挙げます。
実際に計算をする時の考え方、考えていることを
なるべく詳しく書きますので、参考になれば幸いです。
問題1
次の不定積分を計算してください。
$$ \int 7dx $$
xで微分すると7になるものを答えればいいのでした。xで微分すると1になるものはxであることを思い出し、さらに微分の計算で定数倍はそのままで
xの式を微分すればよかったのですから、7xがふさわしいとわかります。実際、7xをxで微分すると7になります。
答 $$ \int 7dx =7x +C \ (Cは積分定数)$$
問題2
次の不定積分を計算してください。
$$ \int 3t dt $$
tで微分して3tになるものを探します。このとき、定数倍の3はいったん置いておいて(放っておいて)微分してtが現れるものを探します。すると、tの2乗が思い出されます。ただtの2乗と
答えると、微分すると2tとなってしまい、積分の中身の3tになりません。ここで、調整をします。tの2乗を微分すると、2がtの左に現れてしまうので、2がなくなって代わりに3があらわれるように定数を置いておけば良いのです。2分の3をtの2乗の左に置いておけば良いです。したがって、
答
$$ \int 3t dt =\frac{3}{2}t^2 +C (Cは積分定数)$$
(2分の3tの2乗を微分するとたしかに3tとなります。今の例のように、定数倍はいったん放置してまず文字の部分に注目し、微分するとその文字が
現れるものを決めてからその後定数倍を調整するとうまくいきやすいです。)
問題3
次の不定積分を計算してください。
$$ \int x^2 dx $$
xで微分するとx2乗が出てくるのは何かなあと思い出すと、x3乗がありました。ただ、x3乗を微分すると3x2乗と、3がついてきてしまいます。
単なるx2乗にするために、3分の1を左においておけば、3はなくなってくれます。
$$ \int x^2 dx =\frac{1}{3}x^3 +C \ (Cは積分定数) $$
(たしかめ算として3分の1x3乗を微分するとx2乗に、たしかになります。)
問題4
次の不定積分を計算してください。
$$\int (2x^2 +1)dx $$
積分の中身が和になっている(+でつながれている)ときは、微分の時もそれぞれ微分すればよかったのと同じく、それぞれ積分していけばよいです。
書く必要は必ずしもないですが、
$$ \int 2x^2 dx +\int dx$$
となります。中身が1のときは略しても構いません。
2xの2乗の積分について、微分してxの2乗が現れるのはxの3乗、定数倍を調整して3分の2x3乗となります。
1の積分はxでいいですね。
答
$$ \int (2x^2 +1)dx=\frac{2}{3}x^3 +x +C \ (Cは積分定数)$$
問題5
次の不定積分を計算してください。
$$\int 2t dt +\int 3t dt $$
問題4で中身が足し算になっているものは、それぞれに分けて計算すればよいことを紹介しました。
逆に、積分が足し算で分けられているものをひとつの積分にまとめても良いのです。つまり、次のように変形できます。
$$ \int (2t +3t)dt =\int 5t dt $$
すると、中身は通常の足し算でまとめることができて結局5tを積分すればよいことになります。微分してtが出てくるのは、tの2乗。定数倍を調整して
答
$$ \int 2t dt +\int 3t dt =\int 5t dt =\frac{5}{2}t^2 +C \ (Cは積分定数)$$
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